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離宮君が私の家庭教師をしてくれるのは
、毎週火曜日、木曜日、土曜日の三日間
。
だけど……。
「ダメ、絶対無理……」
ある日の放課後、私は数学の教科書を胸
に抱きながら、机に突っ伏した。
そんな私に気付いた律希ちゃんが、不思
議そうに私を見てくる。
「なに。どうしたの、杏子」
「うう……律希ちゃ~ん……」
助けを求めるように律希ちゃんを見上げ
ると、よしよし、と頭を撫でてくれる。
「こ、このままじゃ……ま、また鬼が…
…」
「うん、落ち着こうか、杏子」
ぶるぶると震える私を宥めるように、そ
う声をかけてくれる律希ちゃん。


