と少しニヤリと笑いながらそう言い出し
た。
「私、限定……?」
「そー。杏子だけには優しい、みたいな
?」
私だけには?
「そんなことないよ……吉馬さんにも、
優しいもん」
「アイツは男でしょ」
と、呆れたように言ってくる律希ちゃん
。そ、そうだけど……。
……ああ、わかった!!
「思わず優しくなっちゃうくらい、私が
どんくさいんだ!」
初対面でオムライス投げたし!
数学の問題解くのも、結構もたついてる
から!
……自慢には、ならないけど。
「……杏子のド天然」
そう呟いた律希ちゃんの声は、聞こえな
かった。


