角度を変えて、深い口付けを落としてい
く。
……これくらい、いいよな。
やがて杏子が苦しそうに俺の胸を叩くか
ら、唇を解放してあげた。
潤んだ瞳で、困ったように見上げてくる
杏子に、微笑む。
「おやすみなさいの……キス」
そう言うと、杏子は納得したように「そ
っか……」と頷いて。
「おやすみなさい」
そう言うと、俺に触れるだけのキスをし
た。
杏子からキス、なんてはじめてのことで
。
呆気に取られているうちに、杏子は眠っ
てしまい。
……ああもうほんとに、どうしてくれよ
うか。
こんなんで、眠れるわけがない……。
杏子と一つ、ベッドの中。
俺は拷問にもにた、でも至福の時間を、
過ごしていた───。
(杏子の天然は健在です。)
【END】


