なんて、ここに来るまでの事を思い出し
ていると。
「それがねぇ、大雪になっちゃって」
「え?」
「ほら、見て?」
怪訝そうな声を出した俺に、杏子のお母
さんはそう言うと、窓際の方まで歩いて
いき、シャッ、とカーテンを開けた。
その瞬間、思わず苦い顔になってしまう
。
「ね?凄いでしょ?」
杏子のお母さんの言う通り、凄い。
なにが凄い、って、吹雪みたいな強い雪
のせいで外が真っ白だし、これは大分積
もってる。
……こんなことになってるなんて。全然
気付かなかった……。
「それに電車も全部止まってるし……。
皐君、帰れないでしょ?」
「……確かに……」
電車が止まってるんじゃ、帰れない。
困ったな、と思っていると。
「だからね、ほら、今日は土曜日だし、
明日はお休みでしょう?だから皐君、泊
まっていきなさいよ!」


