「……好きだから、だよ」



ポツリ、とそう呟いた吉馬。



「好きだから……怖い。大切に出来なか
ったらどうしようって思う。だって俺は
今まで適当に遊んできただけの、だらし
ない奴だったから」

「……でも、今はもう遊んでないだろ」



そう言うと、「知ってたの?」と吉馬が
苦笑いした。



そんなの吉馬の傍に居ればわかる。



だって俺が吉馬の事で一番嫌いなのは、
女の匂いがすることだったから。



……でも今は、全然しないから。



「……そうだよ。女の子とは全部切った
けど。でもさ、結構俺に本気になってる
子も居てさ?

俺が本命の女の子なんて作ったら、その
子達なにし出すかわかんねーし。……俺
は、律希を傷付けたくない」



そう言った吉馬。



……吉馬も吉馬なりに色々考えてること
はわかった。



でも。



「……やっぱりバカだ」