ドキドキドキドキと、心臓があり得ない
速度で脈を打つ。
ずっとドキドキが止まらずに、火照った
身体をどうにか落ち着けていると、ポツ
リ、と皐君が呟いた。
「……杏子があまりに可愛いのと……あ
と凌斗にムカついて、暴走した」
「え……?」
「だってもう杏子は俺のなのに……。ま
だ杏子を狙ってるとか、凌斗、ムカつく
」
そう言いながら、拗ねたような表情を浮
かべる皐君。
そんな皐君が可愛くて、クスッと小さく
笑った。
「凌斗君は、皐君と恋人になれて、よか
ったな、っていってくれたの。だから、
さっきのは律希ちゃんがからかっただけ
だから……」
そういうと、ぎゅう、と抱き締められて
。
「……あんまり妬かせないで」
と、甘えるような声で皐君がお願いして
きたから、私もそれに応えるように抱き
締め返した。


