ふと、唇を離した皐君が、親指で私の顎
を引いて、唇を割るようにしてきて。
どうしたんだろう、と口を半開きにさせ
たままで皐君を見つめていたら、皐君が
また、私に近付いてきた。
「んっ……!?」
さっきよりも、深く落とされた口付け。
半開きだった唇の隙間から、何か生暖か
いものが侵入してきて。
さっきよりも甘い声が、出てきて恥ずか
しい。
な、なんだろうこのキス……。
今までのよりもずっと激しくて……脳が
溶けちゃいそう……。
やがて身体の力が抜けてくると、そのま
まコンクリートに寝かされた。
「……っはぁ…」
やっとのことで解放してもらえた唇。
ボーッと、ふわふわと浮いていた意識は
、次の瞬間、皐君の行動で一気に覚醒し
た。


