急かすようにそう言う皐君。
いやいやでもでも、とぐるぐる考えてい
たら。
「杏子」
と、鋭く睨まれた。
……こ、怖いですよ皐君……。
睨まれてびくびくしながら、もうこれは
従うしかないと思った私は、ゴクリ、と
喉を鳴らして、そろり、と皐君に近づい
た。
「し、失礼します……」
そう言いながら、そっと皐君の太ももを
跨ぐように座る。
すると、思った以上に皐君と密着するか
ら、私は顔を上げられなかった。
きゃああーーーっ!!
なにこれなにこれ。なんだこの状況!
恥ずかしすぎて、今にも逆上せてしまい
そう……。
目線を下げているから、見えるのは皐君
のセーターだけで。


