全然邪魔者なんかじゃないのに!
というか二人が居てくれなかったら、余
計にこの空間に耐えられそうにない……
!
「んじゃ律希、一緒にご飯食べよっか」
「……はぁ…。仕方ないか……」
待って、と止めるよりも先に、そう言い
合いながら屋上から出ていってしまう二
人。
ドアを閉める寸前、律希ちゃんがひょっ
こりと顔を覗かせて、
「そういえば杏子、千明に今朝告白され
てたから、王子も杏子を見張ってた方が
良いんじゃな~い?」
なんて、言うから。
パタン、とドアが完全に閉まってしまっ
た時には、何故かすごく重たい空気にな
っていた。
「……」
「……」
一気に静かになった空間で、やけに皐君
の視線が刺さってくるのは気のせいかな
。……気のせいだって、思いたいけど。
「……杏子」


