その激しい感情に身を委ねるようにして
、俺は杏子の小さな唇を奪っていたんだ
。
……てか、なんで吉馬黙ってんだよ。
そう思い吉馬を見れば、信じられない、
とでもいうように目を見開いてフリーズ
していた。
「おい吉馬、なに固まってんだよ」
そう言って吉馬の額にデコピンをかませ
ば、吉馬がハッとしたように瞬いた。
「……え、き、キス!?」
「声でけーよバカ」
「いやでかくもなるでしょうよ!え、口
にキスしちゃったの!?うわ、大胆」
……吉馬なんか、キスなんてしまくって
るくせにどうしてそこまで驚くんだか。
いや、俺も自分でめちゃくちゃ驚いてる
けど。
まさか自分から女にキスなんてする日が
来るとは、思ってなかったし。
といっても、夏にも一度、しそうになっ
たんだけども。
「まあいいや。で、そのあとコクったの
」
「……コクってない」
「は?」


