「え、行くけど。……え、なに?」
「ん?だから海、行こうと思って」
「……この手は?」
「いいから。つべこべ言わない。ナンパ
対策だよ、ナンパ対策」
「は?なにそれ。って、ちょ、速っ、」
何度か言い合いをした後、律希ちゃんは
吉馬さんに連れられて、早足で海の方へ
と歩いていって。
吉馬さんてば、そんなに海に入りたかっ
たのかな、なんて思っていたら。
───ぎゅ……
不意に、右手に温もりを感じて、ビック
リして隣を見上げれば、そこに居たのは
皐君で。
右手に感じた温もりは、皐君の手のひら
だった。
「皐君?」
「俺も、ナンパ対策」
ナンパ対策?
「そんなのしなくても、私は大丈夫だよ
?ナンパさんになんて狙われないもん」


