覚悟しとけよ?───そう低く囁いた凌 斗君は満足そうに笑い。 ───ちゅっ。 「!!?」 「じゃあな、杏子」 それはそれは楽しそうに笑いながら、帰 っていった。 ドキドキと、煩い心臓。 額に触れた、柔らかく、熱をもった感触 にめまいがした。 お、おでこにちゅーされた……。 額に両手を当てながら、ただ私は、そこ に立ち尽くしていた。 ◆◆◆ "告白された"と理解したのは、それから 家に帰宅してからだった。 その事実がまたどうしようもなく恥ずか しくて、ベッドに突っ伏しながら身悶え る。