思わず舌打ちしたい衝動に駆られながら もどうにか抑えていれば。 凌斗は、通りすがりに。 「杏子は、渡さねぇ」 と低く呟いていった。 ……やっぱり、な。 そうだとは思っていたけど。 やっぱり、凌斗も。 ……杏子が、好きなんだ。