と、その時。
「あー!律希!杏子ちゃん!」
杏子、という言葉が聞こえてきて、俺は
その陽気な声の主を振り返った。
そこに居たのは……。
「萱島……と、凌斗……」
「ん?あ、杏子ちゃんと笹野ちゃんじゃ
ん。あれは萱島と、千明だっけ」
吉馬もそいつらに気付いたのか、そちら
に顔を向けてそう言った。
窓際の席。
杏子と笹野が座っていて、そんな笹野の
隣に萱島、その隣に凌斗が座る所だった
。
……ああ、くそ。イライラする。
「偶然だねー!俺らも一緒でいー?」
「一緒でいいとか訊いてるくせに、もう
座ってんじゃん」
「まあねー」
笹野と萱島がそう会話してるのが聞こえ
る。
席が離れているとはいえ、杏子と他の男
……しかも凌斗が一緒なのは気が気じゃ
ない。


