……くそ。寄ってくんじゃねーよ。
「珍しいねー!吉馬君と離宮君が食堂に
来るなんてー!」
「今日はふわとろオムライスの日だから
ねー」
ニコッと吉馬がそう答えると、えー、な
にそれ可愛いーっ、とキャッキャと盛り
上がる女子たち。
どこが可愛いんだよ。意味わかんねー。
つか、吉馬も吉馬でいちいち相手にすん
なよな。そのせいでまた女子が集まって
くるんだから。
「えー、離宮君もオムライスぅ?」
「……」
「もー、相変わらず冷たいんだからー」
俺が無言で居ると、ケラケラと笑う女た
ち。
鬱陶しい猫なで声。
鼻を刺すような香水の匂い。
その全てが煩わしくて、仕方ない。
「……吉馬」
「ハイハイ。そんな怖い顔しないの~。
ごめんねー、俺ら、もう行くねー」


