わざとらしく語尾を伸ばしながら、ニヤ
ニヤとそう言う吉馬。
……ほんと、ウザイ。
「吉馬、ウザイ」
「えー?なんで?俺はただ、ふわとろオ
ムライスのついでに杏子ちゃんに会おう
かなって言っただけだけど?」
「……。」
「ま、皐の苦手な女の子もいっぱい居る
し、俺だけ行ってくるわ~。んじゃあね
ー」
財布を持ちながら、ニヤリ、と笑ってそ
う教室を出ていこうとした吉馬のシャツ
を後ろから引っ張って、止める。
「……俺も、行く」
ああ、もう。
こいつの思い通りの反応をしてる自分が
、ムカつく。
食堂に行くと、複数の女子がざわっと色
めいたのが分かった。
普段は来ない俺と吉馬を見つけて、ひそ
ひそ話してる。
そして、やがてその女子たちが集まって
きた。


