「な、なんでそんなに見るの?」 遠足から帰ってきてから、ずっと。 気付けば皐君が私を見つめていて。しか もその瞳が、なんだかやけに柔らかいか ら、どぎまぎしてしまう。 なんだか、落ち着かないの。 「見たいから」 「……っ」 み、見たいから……って…! 「恥ずかしいから……」 やめて欲しいです、という言葉は声にな らず、喉の奥で消えた。 だって……だって! 皐君が、ふんわりと微笑んでるから。 胸がキュウ、って締め付けられて、苦し くなる。 「……杏子」 「っ、」