電車でテーマパークの近くの駅まで行っ
て、そこから徒歩。
その電車内で、ふと、萱島君が、思い出
したかのように口を開いた。
「そういえば、ずっと思ってたんだけど
……」
そう言った萱島君は、じ、と私を見つめ
る。
私と律希ちゃんは座席に座って、萱島君
と千明君は私たちの前に、つり革に掴ま
って立っている状態。
だから、自然と萱島君に見下ろされる形
になってる。
「杏子ちゃんてさ、なんで男には敬語な
の?」
「へ?」
け、敬語??
まさかそんな質問をされるとは思ってい
なくて目をぱちくりさせる私に、「あ、
いや、」と萱島君は言葉を濁した。
「ずっと気になっててさ?なんでかなー
って……」
「え、えっと…」


