───もや……。 「……?」 ふと、急に、モヤモヤした、どす黒い何 かが胸に立ち込めてきて、俺は胸の辺り の服をぎゅう、と掴んだ。 ……なんだこれ。気分悪ぃ……。 つーか、イライラする。 舌打ちしたい衝動に駆られていると、ぐ い、と吉馬に腕を引っ張られた。 「ほら行くよ~」 「はぁ?離せ……」 「ダメダメ!強制参加でーす」 そう言う吉馬を睨んでから、如月の居た 方へと視線を戻すと、如月はもう居なか った。 ……はあ、ほんと。 なんだし、この感情……。 .