歌声が聴こえる方へ走りながら
翔太は昔の事を思い出していた。
あれは…まだ俺が6歳の頃、
母親がよく俺に話してくれた。
「丘の上の花畑には天使がいるんだよ。」
俺はその時、天使の存在なんて
全く信じていなかった。
「天使なんているわけないじゃん!」
「いるよ。お母さん見たもん。」
「じゃあここへ連れてきてよ!
そしたら信じる。」
「連れてくることは出来ないな~。」
「ほらっ、やっぱり嘘だ!」
「嘘じゃないよ。
そうね…あなたがもう少し
大きくなったら会えるかもね。
そして聴こえるはずよ……
天使の歌声が。」

