そうだよ。

私の中には、はっきりとぐっちゃんがいるよ。

テレパシーみたいにリンクしてて、近づくと私のカラダは熱を帯びる。

触れてしまったら、せきをきったように溢れだしてしまう気持ちがある。

彼女は?

いまの彼女はどうするの?

私は?

これから私とどうするの?

言わせたい。

結婚してって言わせたい。

好きって言わせたい。

自分からは怖くて言えない。

ぐっちゃん、早く言って。

私もう、緊張で頭がおかしくなりそうだ。

BMWに乗ると、膝を曲げて脚が露になる。

高いヒールが余計にそうさせる。

足を揃える。

左に寄せる。

バックを膝に乗せる。

私、ちゃんと女らしく見えてるかな。

エスカーダ、つけてきたのに。

今日は、ぐっちゃん、何も言ってくれない。

ケータイを切る。

邪魔が入らないように。

ぐっちゃん、言って。

私が好きだから、結婚したい。って言って。

私のことを一番大事な人だって言って。

そうか。わかった。

自分の気持ち。

私はあなたが好きだから、あなたが混乱末の勢いで、プロポーズしたなんて、考えたくないんだ。

風俗の女と結婚したくないって理由で、プロポーズされたなんて。

そんな悲しい事実、受け入れたくないんだ。

私はあなたが好きだから。

ずっとずっと、大切に温めてきた気持ちを、ぐっちゃんに簡単に踏みにじられたような。

そんな事実が、私を傷つけている。

私はずっと好きなのに、ぐっちゃんは急に踏み越えた。

大切にしてた気持ちを、雑に扱わないで。