『舞花』 その言葉に、今までの和やかな雰囲気が飛ぶくらい、どきりとした。 「おかゆでいいか?」 「…………いで。」 「ん?」 「1人にしないで。」 ドロドロとした、黒い感情が胸を渦巻く。 こんな気持ちになりたくない。 わかってる。 初恋は叶わないって。 ……それでも、好きなの。 「瀬越……。」 「莉乃?」 風邪のせいで、少しだけ情緒不安定なのかもしれない。 「お願い。1人にしないで……」 近くにいてほしい。