雨が降ってたんだ。 出会ったあの日。 ――あたしは今朝のニュース番組での天気予報を無視していたから、びしょ濡れになるはめになった。 休みの土曜日でも、部活があるから真面目に練習に学校へ行っていた。 帰り道、どしゃ降りの雨で小さな本屋で雨宿りをした。 あまりにもびしょ濡れでいたから、本屋の店員さんが声をかけてくれた。 その本屋の店員さんは若い男の人で、整った顔立ちだった。 「びしょびしょじゃん!コレ使い〜!」 と言い、タオルを渡してくれた。