私はトイレを出て、さっきの廊下を歩いた。 「綾乃?」 後ろから誰かに話し掛けられ、振り向いた。 「あ‥‥た‥くま‥」 そこにいたのはアイツ。 「綾乃なかなか戻ってこないから探しちゃった」 そう言うと、アイツは私に近づいてきた。 「メイク直すのに時間かかっちゃって‥」 私はとっさにそう言った。 泣いた事、バレないよね‥? 私はなるべく顔を見られないように下を向いた。