「次どこ~?」 「そこの信号を右」 さっきから繰り返されるこの会話。 他に話す事もなく、しかも奴は何故か必要事項以外話しかけてこない為、無言。 時々風に乗って香る奴の香水の香りに、私の胸は心拍数を上げていた。 ‥‥なんで私こいつにドキドキしてんの? いや、これは違う。 二人乗りなんか滅多にしないから、怖さでドキドキしてるんだ。 と、さっきから頭の中で繰り返した。