「確かに… 慣れた人間より遅いかもしれないですけど。 彼女達も、育てていく必要があるんです。協力してもらえませんか?」




彼の態度にちょっとカチンときたけど、抑えながら言ったつもり。




「それなら杉町に頼めよ。アイツは優しいよ。」



背もたれに寄りかかり、ユラユラと椅子を左右に回しながら話す。




この人、自分の事しか考えてないの?



なんか…ムカついてきた。


「出来ればそうしたいですけど。そうタイミングが合うわけじゃないんです。
それに… 誰だって最初から上手く出来たわけじゃないですよね? 私だって、先生だって。」




ダメだ。


ムカツクと遠慮なく言ってしまう、悪いクセ…



どこまでも、言ってしまいそうだ。




「俺は出来たよ、最初から。」



シレッという態度が、またムカつく!!



「一般的な事を言ってるんです。
それに… こんな事まで言いたくないけど。 研修医の先生のフォローだって、私達かなりしてるんです。
慣れない人を育てていくために、助け合う事も必要じゃないんですか?」