「もし…」




それから急に、真面目な口調になった隼人。




「もし、子供を授からなくても… 俺は、それでも構わないから。」





「…うん…」




彼をじっと見つめ、静かにうなずいた。




「まぁ、ここにピーマン嫌いの、デッカイ子供がいるしな!」





そう言って笑った隼人の顔を…



私は一生忘れずにいようと思った。









避妊しなかったからといって、必ず子供ができるとは限らない。





不妊に悩む人、流産して悲しむ人。



そんな人達も、私と隼人は、たくさん見てきた。





妊娠して、無事に出産する。



それが、夫婦にとって当たり前の事でも、当然の事でもないことを、私たちは知っている。





子供を授かることは、とても貴重な事なのだ。






だからもし、私達に子供ができなかった時の事を思い、私を気遣ってくれる隼人。




この人に出会えて、私は本当に幸せだ。