「成海夏実… うーん。確かに、ちょっと響き悪いなー。夫婦別姓にしない?」




ブランコを揺らしながら、言ってみた。




「えー… 俺、嫁さんには同じ名字になって欲しい。」




「じゃあ仕事の時だけ、紺野にしようかな。夕希さんみたいに。」




「お前… 成海がそんなに嫌なのかよ。」




不機嫌になってく隼人。





「フフッ… なるよ。成海に。 隼人の奥さんだもん。」




ブランコを近付けて、彼と腕を組んだ。




チラッと私を見た顔は、まだ、すねてる。




私は笑って、そして彼の頬にキスした。






「よし! 帰るぞ。」



少しニヤけた彼が立ち上がり



「行くぞ! 夏実。」



と、手を差し出した。







これ… どっかで見た…





あっ! いつかの夢。




あの手は、隼人だったんだ。




あの時も、絶対離しちゃいけないって思ったんだ。




そう…




もう絶対離さない。





「うん!」




私も立ち上がり、彼の手をしっかり握った。