夕希さんは、一度流産を経験した。



だから今回の妊娠も、香田さんの心配は相当なものだったらしい。




何年経ってもラブラブだ…





そして…




生まれたのは、女の子だった。




夕希さんゆずりの白い肌と、香田さんゆずりの大きくて綺麗な目。



メチャクチャかわいい。






「ありがとう… なっちゃん、先生。」




涙を浮かべ、最高の笑顔で笑う夕希さんを見て、私も目が潤む。






「先生、紺野さん。うちの娘と一緒に写って下さい。」




それまで、赤ちゃんの写真を撮りまくってた香田さんに、声をかけられた。




「大事な娘を、とりあげてくれた二人だって、この子が大きくなったら話しますから。」




そう言われて、私が赤ちゃんを抱いて、隼人と二人で並ぶ。





「次は二人の番だね。なっちゃん、早く産まないとダメだよ。やっぱ40になるとキツイよ!」




夕希さんに言われて、苦笑いの私たち。







私の腕の中で、小さな手を開く赤ちゃん。




私が指を近づけると、やっぱりギュッと握ってくれた。