彼に会いに行ってから、また半年が過ぎた。





3月になり、私は34歳の誕生日を迎えた。





隼人からのプレゼントは、おめでとうの電話。




会えなくても、忘れないでいてくれた事が嬉しい。








「夏実さん! ビッグニュースです!」




後輩のいずみがナースステーションに飛び込んできて、私に近寄ってくる。





「どうしたのよ?」




「成海先生が、今度のウチのオペに、応援に来るんですって!」




私の耳元で、ヒソヒソ話してくる。






「あぁ、そうみたいね。」



「えっ? どうして知ってるんですか?」




私が驚くと思っていたのか、いずみは拍子抜けした顔。





「どうしてって… さっき、聞いたから。」





「そんなハズないです! 原口先生が、私以外には、まだ話してないって。
…誰に聞いたんですかぁー?」





うっ… マズイ…





いずみが探るような、ニヤけた目で見つめる。






仕方ない…