Birth

そんな私を見て、松尾さんは更に質問してきた。




「大変失礼ですが…　なつみさん、ですか？」





「えっ…　はい、そうです。」




頭の中は『？』マークながら、素直に答えた。





「やっぱり！　あなたと話してから戻ってきた先生の、ニヤけた顔でピンときました。
以前飲み会で、酔いつぶれた先生が『なつみ…なつみ…』って呟いて。
私達の間で、『なつみさんって、誰だ？』って話題になったんです。
先生に聞いても、絶対教えてくれないし。」




ニコニコしながら、松尾さんは続ける。




「今だって、真面目な顔しようとしてるけど、嬉しさオーラいっぱいで。
『今日は、早く帰るから』って、黙々と仕事片付けてるし。
…彼女さん、なんですよね？」






「はぁ…　まぁ…」



否定する訳にもいかず、曖昧に微笑む。







全く…　隼人ったら、何つぶやいてんだ。






まぁ…




嬉しいけど。