「玲!今日は学校だぞ?」
「うん…あれ?良どうしているんだ?」
「制服を着に戻って来たら
呑気にベッドで寝てるからさ」

玲は遅刻する!!と言いながら
ベッドから降りて、身支度を始めた。

ふと、携帯に目をやる。
これはもういつものことだ。
事件の裏には絶対に何かがいる。

いつか見ていたテレビが
そう言ってた気がする。

「良!」
「なに?」
「俺達、双子…だよな…」

良は暫く考えるフリをした。
「バッカじゃねーの?当たり前だろ」
「良ちゃーん!玲ちゃーん!おはよー」
「小夜!おはよう」
「おはよう」

昔は朝の通学路、細い路地を通って
ランドセルを揺らして
玲がエロ本と言うなの冒険の書を見つけ
小夜と良は呆れながら、学校を急ぐ。

でも今は、玲が“おはよう”といえば
それで良と小夜は
自分達の世界に入ってしまう。

なんだか…玲は複雑な気持ちを抱いた。

「小夜は好きだ…
でも…良はそれよりも大事な弟なんだ」

玲が呟くと、
良は後ろを振り返った。

「遅いぞー!****」
にっこり笑う良に、玲は違和感を覚えた