ここには昔から、色々な猫が住み着く
黒猫は一匹も見たことがないが、
玲は、もしかしたらと思い
この公園に寄ったのだ。

お皿の中のキャットフードは少なくて
子猫から成猫まで、
一緒になって食べている。

人に慣れているのか、警戒心はなく
玲は、子猫を撫でた。

「みゃぁ!」
愛くるしい鳴き声に
玲は複雑な気持ちになった。

「俺は黒猫を探しては
大事な人が死なないように殺してるんだこれは事件じゃなくて、きっと…」

子猫はキョトンとして玲を見る。

「俺が、黒猫を殺してまで……
数多くの命を殺してまで、
二人の命を助けたいと思う心を
黒猫に遊ばれているんだろうな…」

もう一回撫でると、子猫は喉を鳴らして
去って行った。

すると、一際大きい黒猫が
餌を求めてやってきた。

「お前!!」

ガッと石を掴んで、黒猫の頭にぶつける
この行為はもう、黒猫を見つけたら
殺してしまうという反射だろう。

「ゃ…ぁ…」掠れた声
けれどもう助からない。

時間は1時28分、間に合った。