事件簿

「「「「ええっ!?」」」」

斎藤以外の藤堂、原田、沖田の叫び声が花鈴の部屋に響く。

「す、すみません副長。猫を捕まえることができなく…」

がっくりとうなだれる斎藤に花鈴は優しい笑みを浮かべる。

「大丈夫。一君は私から土方さんに夕餉抜きを取り消してもらうから、ね?」
「ちょっと花鈴ちゃーん?なんで一君だけなのさ?」
「そうだぜ、花鈴。俺たちも猫が荒らしたところをなおしたんだからなっ!」

ギャーギャーと言う藤堂たちに花鈴は鬱陶しそうな顔をする。

「報告書をまともに出せるようになったら考えてあげるわよ。」

冷たい目で見られた藤堂たちはそそくさ逃げて行く。

「ところで花鈴。あんたはいつから気づいていたのだ?」
「ん、一君と総司君が猫を追いかけてたときかな。」

ずずずと最後までお茶を飲み切ると、花鈴は優しい笑みを浮かべる。

「とっても楽しそうだったから。たまにはこんな日もいいんじゃないかなってね。」

花鈴の部屋から差し込む日差し。
今日はとても楽しい日だと心から思う。
今度はいつ、この日がくるんだろうか。

私たちは死と隣り合わせに生きている。

もしかしたら。
次の日に死んでるのかもしれない。
浪士に斬られてるのかもしれない。

もっと私に力さえあれば、と。


花鈴は心から思う。


いつか。誰かが言っていた気がする。

ー誰かのために生きるならそれはきっと素晴らしいことだ。

ー人はなにかを成し遂げるためにこの世にいるようなものだ。


私は………





もう一度、笑い合える日がきますようにと願う。

叶わないかもしれない。

けど。
それが私の願い。