「自分が憎くてたまらない。そんな君が、よりいっそう惨めに弱く泣き叫ぶともなれば、そのままナイフを手にしよう。
自殺でありながら、思考は他殺。『救いようがない奴を殺したい』――何が救いかも分からない君が唯一見つけた救済方法でもあるが、泣けなくなったのは、君がまだ生きたがっている表れ。
殺さなくてもいい救済方法を探している」
「嫌なサイクルだ」
死にたくないから泣けなくなり。泣けなくなったから苦しくなり。苦しくなったから死にたくなる。
言葉にすればとても陳腐。本当に私は“どうしようもない奴だな”と――
「君は“他人”ではない」
自身を他人事のようにないがしろにする私ですら、奴は見透かす。


