透明少女 ~フタリキリ~

『わたしね、消えたかったんだ。
美秀ちゃんは姿を消したかっただけだけど、わたしは存在ごと消したかったの』

やっぱり…あたしは月乃にそう思われていた…

あたしだって、姿じゃなく存在を消したい気持ちだった。

あの時は。

今はもう、そんなことは言えない。

あたしが消えたい理由なんて、月乃のに比べれば全然生ぬるかった。