透明少女 ~フタリキリ~

『ねえ美秀ちゃん…
今思うと滅茶苦茶だったよね。
得体の知れない薬を使うなんて。
塗り薬が失敗作なら肌がボロボロになってたし、点眼薬が失敗作なら失明して、飲み薬が失敗作なら死んじゃってたかもしれないのにね。

…わたしね、あの時、怖がるフリをしてたけど、ホントはそんなに怖くなかったの。
たぶん投げやりになってたんだね。

美秀ちゃんは、平気なフリをしてたよね。
わたし、見抜いてたよ。
本当は美秀ちゃんは怖がってた。
わたしよりも、ずっとずっと。
でも、わたしの前だから強がってた。
わたしはそれが嬉しかったんだ』