部屋の隅に、鍵のかかった棚があった。 鍵はあたしが持っていた。 おじいちゃんが病院の枕の下に隠してて… 亡くなる直前に“捨ててくれ”って言って、あたしに渡した。 その鍵を、あたしはポケットに忍ばせて、いつも持ち歩いていた。