透明少女 ~フタリキリ~

月乃の手が、逃げ惑う青や黄色のあたしを、花でも摘むように右手で摘まみ上げて左手で束ねていく。

いつの間にか、あたしの体には、赤いペンキがかけられていた。

雨と噴水のせいで気づかなかった。

月乃の手が、あたしに向かって伸びてくる。





――――END――――