ウラ/オモテ

暑くなってきた
最近では吹き抜ける風
がとても気持ちいい


わたしはゆっくり歩いて
屋上の広いスペースに出る

空は水色に澄んでいて

白っぽい校舎と
水色の空を見ていると
なんだか青春って
かんじがした

青春なんかしてない
わたしが言っても
説得力ないんだけどね

わたしは壁に
もたれるように
地面に座り込んだ

スカートのポケットから
携帯を取り出す

特に何をすることもなく
ピンクの花の待ち受けを
ぼーっと眺める

連絡取る人もいなかったら
暇つぶしも出来ないなあ…

その時だった

「咲乃?」

その声は最近、
聞き慣れている
彼の声

見上げるとやっぱり
そこには彼がいて