「咲乃って、
好きな奴とかいんの？」
「へっ！？」
質問が唐突すぎて。
「や、深い意味はないけど
いんのかなって思って。」
深い意味ってなんですか？
「…スキとかわたし、
よく分かんないから。」
「もしかして恋愛経験ゼロ？」
「う…うん…。」
そうです。
恋愛経験ゼロなんですよ。
告白は一回されたことあるけど
どうすればいいのか分かんなくて
逃げちゃったってゆう過去が…
ブーイングされたよね…
やだやだ、恋愛なんて。
「高２で恋愛経験ゼロって…」
「えっ？」
上宮くんはくすくすと笑っている
そんなにおかしいのっ？
「わわ笑わないでよ…っ」
「ごめんごめんっ…
でも彼氏ほしいとか思わない？」
「彼氏っ！？
彼氏なんてわたしには勿体ないし…
それにっあんなことやこんなこと…」
「どうしたの？」
慌てるわたしをよそに上宮くんは
「うんうん」と微笑みながら
聞いてくれているのを見て
恥ずかしくなって話すのをやめた
