軽く雫を落としていたら、フロントにいたコンシェルジュが傍にやって来た。手には白いタオルを持っている。 「木藤様でよろしいでしょうか」 「はい」 「私当マンションでコンシェルジュをしております。先程、緋姫様より連絡を頂きました」 「・・・どうも」 「それから、こちらを御使いください」 差し出されたタオルで軽くジャケットの水滴を拭いながら、コンシェルジュの話を聞いた。 凜華は俺との連絡の後に、すぐにフロントに連絡したようで、コンシェルジュがガードマンに連絡したようだ。