「あら、ごめんなさい」 わざと荷物をぶつけといてなんだその態度は……! 「コンクールメンバー発表はフルートからなんだって」 「え、ほんとに?!」 木下美波から告げられた事実にさらに固まる。 心の準備とかほら色々あるじゃない? そんな動揺しまくりの私とは違い、彼女は余裕の表情だ。 ……そりゃそうか。 合奏メンバーにも選ばれてたもんなぁ。 憂鬱な気持ちのまま、私は音楽室へ向かった。