「うっ…うっ…グズっ…」
涙が止まらない。今までいろんな事があって、我慢して。でも今日はなぜか泣いて良い日って気がして。
「ゴメンね。」
「なんで奈那美先生が謝るの?奈那美先生は私をいじめてないのに…」
「実はね、気付いてたの。もっと早く先生が聞いてれば…千波ちゃんは…」
私は奈那美先生にまで迷惑をかけていた。
「奈那美先生!私もう大丈夫!奈那美先生に聞いてもらってちょっと楽になったから!ズビッ」
「本当?それなら良かったんだけど…」
嘘。楽になんてなって無い。話せば楽になるなんて、誰が決めた。そんなの人それぞれ。
「失礼しました!」
「はい!また来てね!」
ガラッ
もう保健室に行く事は一生無いだろう。奈那美先生に迷惑をかけるならもう行かない。行ってはダメだ。そう私に言い聞かせた。
「かといって教室に行くのもなぁ」
私は屋上に行った。そしてふと思いついた。
私がここから飛び降りれば、私はもういじめられない。
私がここから飛び降りれば、奈那美先生に迷惑をかける事はない。
私がここから飛び降りれば、皆私を避けないで済む。
これだけ良い事があるなら飛び降りてもいいんじゃないか。
私は屋上のはしに立った。
私が死んで誰が悲しむ?
悲しむ人なんて一人もいない。