そう書いてあった。私は、急にお腹が痛くなってトイレに行った。しばらくしてトイレを出ようとした時、しゃべり声が聞こえた。その声は私をイジメるグループだった。急いで出ようとすると、もうドアの前まで金本さんたちは来ていた。仕方なく私は個室に入った。
「マジウケる!美沙そんな事したの?」
「うん!南だってやろうと思えばできるよ!だって名字須東なんてめずらしいし!」
「凛奈、やろうかなぁ?流田凛奈だから出来るよね?」
初めて全員の名前を知った。金本美沙リーダーの子。須東南。私をイジメる方法を考えている。流田凛奈。甘えん坊だからこそ裏がある子。
「あれ?ここ何か閉まってるよ?」
凛奈が言った。ヤバイ見つかった!
「さっき千波トイレ行ったよね。」
「今から水流すから濡れるのがいやなら出て来な!」
私は個室から出なかった。
ばしゃっ ガンッ
水とバケツ一緒に落ちて来た。バケツが私の頭に当たった。
「あははは!じゃあ風邪引かないようにがんばー」
「美沙ー風邪は引くでしょ!ずぶ濡れだもん!」
「凛奈だったらトイレから出たのになぁ。馬鹿だね!」
ガチャ
ドアが閉まった。私はとりあえずトイレを出た。
「はぁ。すごいな。どうしよう。」
とりあえずジャージでも着て帰ろ。
先生に何も言わないで帰るのはダメだけど今はそんな事考えられなかった。
私は家に帰りすぐ寝てしまった。
「もう朝か…」
なんか頭が痛い。それにフラフラする。昨日のやつで風邪を引いたみたいだ。今日は休もう。
「はいもしもし。」
「稲木先生は居ますか?」
「はい。今変わります。」
「もしもし。」
「稲木先生。今日風邪引いたみたいなので休みます。では。」
ガチャ
私はテレビをつけた。そしたら今流行りのアイドルグループの特集をやっていた。最近テレビ見てないからわかんないなぁと思うぐらい知らないグループ。私もアイドルやってたらいじめられなかったのかなぁとか考えちゃう。
入る気は一つも無いけど。風邪薬がないと思いかいにいくことにした。
ガチャ
寒い。春なのに風邪引くなんて。はぁ
…なんかつけられてる気がする。いつも学校に行く時と同じ人だと直感で思った。
ギュッ
急に抱きつかれた。私はもがいた。でも離れない。
「助けて!誰か!」
誰かの走る音が聞こえた。
「拓馬先輩…」
拓馬先輩は私に抱きついた人の顔を蹴った。一撃で倒れた。
「大丈夫?」
「はい…」
私はなぜか泣いていた。頭が痛いし、変な人に抱きつかれるし、いじめられてるし。もう何もかも嫌になっていた。
「ありがとうございます。」
そう言って走った。
「千波ちゃん!待って!」
拓馬先輩の声は私には届かなかった。
家に帰り、思いっきり泣いた。これ以上なく事は無いぐらい泣いた。私はずっと泣いた。もう学校なんて行かなくていいや。そう思う。でも行かないとイジメは終わらない。決めた。明日は学校に行く。そのために私は早めに寝た。