この話は中学の時の話。


「千波!おっはよ!」
これは私の唯一の友達、愛並沙羅。
沙羅だけは私のことをわかってくれた。
沙羅には彼氏がいた。
かっこよくて優しい彼氏。
私を気にしてかいつも3人で遊んでくれた。
もちろん沙羅の彼氏のことは好きじゃない。
ただの友達。邪魔なのは私。いらないのは私。でも拗れちゃったんだ。
私のせいで…

「今日はどこいく?」
「ねぇ。今日は二人で行ってきなよ。私用事あるから。」
「でも…「じゃあ今日はやめよう。」
沙羅と二人で行ってほしかったのに。
空気読んでよ。
「いいよ。気を使わなくて。二人で行っといで。じゃ、私帰るから。」
強引に二人にした。
このままだと帰りそうだったし。
「あいつ…」
「ねぇ。うちと二人じゃ嫌なの?」
「あ、いや、嫌じゃない…」
「うち気づいてたんだ。あんた千波のこと好きなんでしょ?」
私はそんな会話が聞こえて早足でその場から立ち去った。
怖かった。この関係が壊れるのが。二人を失うのが嫌だった。
「千波!」
終わったんだ。もう。私の友達は誰一人いない。
「千波。俺さお前のこと…「言わないで。ただでさえ彼氏奪うとか言われてるのに、友達のまで奪ったとか言われるじゃん。」
「千波…でも好きなんだ。」
あぁ。もう一人でいよう。ダメなんだ。誰かと一緒にいたら。
「ごめん。バイバイ。」
この日から私は友達を作らなくなった。
もちろん沙羅とも話さない。
これが最後の自分でつくった友達。