「私のせい。私のせい。私のせい。
私のせい。私のせい。私のせい。
私のせい。私のせい。私のせい。
私のせい。私のせい。私のせい。
私のせい。私のせい。私のせい。」
「笹野?」
「私さえ居なければ…
私さえ居なければ…
私さえ居なければ…
私さえ居なければ…
私さえ居なければ…
私さえ居なければ…」
私はすぐそこにあった、手術道具であろうナイフを手に取った。
「笹野!何する気だ!」
「私はいらない。必要じゃない。
この手首を切れば皆…皆…」
私は手首にナイフを当てた。
「さようなら…」
その時、
ベシンッ
「お前はバカだ!」
「稲木先生…」
私はナイフを落とした。
「奈那美先生は死んだか?」
「…」
「まだ死んでないだろ!」
「うっうっぐすっ」
「奈那美先生はお前が生きがいだったんだよ!俺がサボってる時、奈那美先生はいつも「生きるってなんでしょうか。生きてる意味ってあるんでしょうか。」って言ってたんだ。生徒の前では、いい先生でそんな弱音はいっさいはかなかった。「先生がこんなじゃ生徒までこんな風になっちゃうから。」って。でもある日、「私、生徒と話して楽になったの。千波ちゃんって言うんだけど」そう言ったんだ。俺は感じた。その時奈那美先生は笑顔で話してたから。」
「奈那美…奈那美先生~~~~~!」
「だからお前が居なくなったら奈那美先生だって戻って来れなくなるだろ!」
私は、間違ってた。
私が居なければ皆平和に暮らせる。
奈那美先生だって、屋上から落ちなくて済んだ。
そう思ってた。でも、こんな私でも必要としてくれる人がいる。それなのに私が死んだらその人が悲しんじゃう。いじめてる人が喜ぶ事をしたくない。
それなら私を必要としてくれる人を喜ばせる方が絶対いい。
「稲木先生。すみません。迷惑をかけて。私いじめを…必ずいじめを終わらせます。」
「あぁ。俺も協力する。」
奈那美先生は私を守ってくれた。
私に立ち向かうチャンスをくれた。
そのチャンスを無駄にはしない。
私絶対にこのいじめを終わらせる!