冷たい世界の温かい者達







「テストだよぉ……」




『……』


「由薇勉強した?」



『全く』





体育祭の後に続いた三連休を明けて、今日はテスト。








体育祭の後すぐテストって、鬼畜だよな。






衣緒は少しばかり……だいぶとバカだから、焦っているようだ。




勉強しとけって千尋に言われてたじゃねぇかよ。




今更涙目になって後悔する言葉を吐きながら校舎に入る衣緒を、由薇は困ったように見ていた。





まぁ、由薇も心配はなさそうだ。





千尋はある程度勉強できるし、成一もギリギリだが、普通だ。




影助もボーッとしているように見えて案外勉強できる。





校舎はどんよりとした、テストになると漂うバカ達のオーラで満たされていた。





『………』



「由薇は勉強できるのか?」



影助が隣で歩く由薇に聞くと、由薇は首を傾げた。




『わからない。



勉強は子供の頃以来やっていない』





「…それって、何歳だったりする?」





千尋は頬を引き攣らせながら聞くと、由薇は考えるように眉を寄せながら顎に手を置いた。




『………小3、かな…』





「僕よりバカじゃない?!」





少し嬉しそうに、だが驚いたように叫んだ衣緒に、今回ばかりは同感だ。





小3って…割り算とかあたりじゃねぇの?





由薇はまったく焦るそぶりも見せず、教室の中にサッサと入ってしまった。