女に触れていた手を離して、後退る。
なぜか、この女を離さないといけない、と本能が訴えてきた。
女は離された頬を押さえながら、目を細めた。
さっきからずっと懐かしそうに、目を細めている女……
『……私も憶えていないか。
腐ったものだな』
ーーーあぁ。
知ってるじゃないか。
あの日、あの時、あの場所で。
助けてくれた人が、居たじゃないか。
「冷、蝶……」
『遅いな。』
そう呟きながら立ち上がった女、改め冷蝶。
「あ、ぁ……」
『……あの時、路地裏に這い蹲っていたあいつは…何を思ったんだろうな。』
「…な、り…ゆ………き…」
あいつは、復讐をーーー

