「〜〜〜!」
………何でなのー!みたいなこと、どうせ言ってるんだろう。
アホらしい。
溜息を吐いた千尋の肩を影助はポンポンと慰めるみたいに叩いた。
千尋は、まぁダルダルと走って最下位。
てか、歩いてた。
「あいつ、本当にパソコン以外には精を出さないな」
影助は困ったように言った。
まぁ、確かに。
影助はきちんと本気で走って30Mくらい差をつけて1位。
………あれはあれで精神的にクルと思うけどな。
苦笑しながらスタート位置につく。
あまり気乗りはしないが、仕方がない。
速く走ったら早く終わるのだから。
ピストルの音が聞こえて走ると、いつかの日を思い出した。
目の前には、あのーーー
届きそうだ、と思った時にはもう、景色は一気に普通の体育祭に戻っていた。
「やっぱ速いねー、朔は」
苦笑した衣緒は、由薇の居るスタート地点を好奇心旺盛な態度で見ていた。

